5月に入り、ジョギングを再開してから体重増加中です。
筋肉バランスなどの影響で、走り始めはいつものことですが、なんだかショックではあります。

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さて、専門業務型裁量労働制の適用労働者として働いていた証券アナリストの男性が、2013年7月に心疾患で亡くなった件で、今年3月に労災認定されていたという記事が毎日新聞に出ました。

専門業務型裁量労働制は、国が定めた専門的な職種(限定列挙)において、仕事の進め方や勤務時間などを適用労働者に委ねる制度です。

(制度参考−厚労省リーフレット)
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040324-9a.pdf

この男性も証券アナリストとして制度適用されて働いていました。
そして、毎月40時間の残業時間があるというみなし労働時間が適用されていました。

しかし、遺族の方の独自調査によると、心疾患発症前1か月の残業時間は133時間、2〜6ヶ月前の平均では108時間だったということです。

専門業務型裁量労働制が適正に(?)適用されている労働者のいわゆる「過労死」が労災認定されるのは極めて珍しいものです。

厚生労働省によると、2013年に脳血管疾患や心疾患で労災認定されたのが306件で、うち死亡は133件だそうですが、裁量労働制適用労働者は1人でした。

そのくらい稀な案件という事です。

それでも、労災申請から約7ヶ月間の調査が行われての決定なので、相応の判断なのでしょう。
実際の働き方や、業務の遂行時間など、具体的に見られているようです。
そして、実際に労働者の裁量によった働き方がなされていたかについても疑問のようです。

裁量労働適用者に対して、会社としては健康に配慮する必要があります。
そして、そのために「在社時間を把握することが望ましい」とされています。
裁量労働適用者でも、深夜や休日労働については割増賃金の対象ですしね。

しかし、本件の会社では在社時間は会社管理はされていなかったようです。

在社時間管理は、労働者の健康を守るために大切なものですが、会社を守るためにも重要なものです。

しっかり把握することで、労働者の長時間労働を防いで、「安全配慮義務違反」のリスクも避けられるでしょう。
また、会社のセキュリティの意味でも、労働者の無駄な在社は好ましくないですしね。

100%完全に労働者にお任せするのではなく、そのようにある程度の枠組みの中で裁量的に働いてもらうのが望ましい裁量労働制だと思います。
雇用契約を結んで、「使用者−労働者」の関係にあるのですから管理するのは当然でしょう。

残念ながら、裁量労働制を「委託契約」や「請負契約」と勘違いしている会社がいることも事実です。

裁量労働は、「どれだけ働いても残業代は決めた額しか出さないよ!たくさん働いて結果を出してくれれば給料を上げるよ!」という制度ではありません。

あくまでも「結果を出すためには、通常の就業時間管理の枠組みに当てはめるのは難しい仕事だから、個人の裁量で時間配分、進め方などを決めて働いてもらう」制度です。

当然、割り振っている仕事量が「通常の労働時間」を超えることが見込まれるのであれば、その分は残業を見込んで制度に組み込まなければなりませんし、実態が当初の想定の枠を超えているようであれば枠組みの見直しも必要です。

「勝手にやってよ、結果さえ出してくれればいーからさ。(というか、ちゃんと結果が出るまで働いてね。)」なんてのは言語道断。

在社時間を管理して、いわゆる「PDCA」をすべきでしょう。

自分の労働時間をきちんと管理できていない労働者に対しては、会社側からNGを突き付けて、裁量労働の適用を外すというのも必要な措置だと思います。
または、心身ともに健康チェックを欠かさず、異常が見られるようであれば外す等の配慮をすべきでしょう。

裁量労働は、「労働者の自由裁量で働く。労働時間の管理はしなくてもいい。」なんて聞こえのいい部分ばかりが走りがちですが、制度の根幹を理解して、しっかり運用すべき制度です。

もちろん、適正な運用ができていない会社ばかりではなく、適正に運用できている会社もたくさんありますけどね。

今回の件では民事的な話は聞こえてきていませんが、訴えられてもおかしくないような案件にも見えます。

管理するのは手間がかかったり、費用がかかったりするものですし、「残業代を削減したい」と考えるのは当然ではありますが、それによって不幸になる労働者(や周りの方々)が出るのは誰も望むことではないでしょうし、会社としてはリスクが内包された状態ですしね。


さて、議論されている労働基準法改正案にある裁量労働制の拡大にどのような影響を与えるでしょうか。
より厳しい条件が盛り込まれていくのかもしれませんね。
そちらも目が離せません。



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